なるほど健康メモ

血圧が高いままだとなぜよくないの?〜(2010年3月号)

高血圧が「サイレントキラー(静かな殺し屋)」という異名をもつのをご存じですか?

 高血圧は、ほとんど自覚症状がありません。そのため、血圧が高い状態が続いていても気付かないまま、重大な病気を進行させてしまうから、このように呼ばれています。

 高血圧が恐ろしいのは、自覚症状がないまま、全身の血管に圧力という強い負担をかけ、動脈硬化を進行させていくことです。

 心臓に酸素や栄養を運んでいる血管(冠動脈)が狭くなると狭心症や心筋梗塞に、また心臓自体に負担がかかって心不全に陥ることもあります。
 腎臓の機能が低下する腎硬化症、進行すれば腎不全になる場合もあります。
 脳では脳梗塞や、血管がもろくなれば脳出血を引き起こすこともあります。
 高血圧が続くと、体のあちらこちらでさまざまな影響がでてくるのです。ですから、「自覚症状がないから安心」なのでなくて、症状がたとえなくても、放っておくわけにはいかないのです。

 一日一日健康で過ごすためにも、まず、しっかりと自分自身の血圧を知り、血圧が高ければ血圧を下げることが大切なのです。
 高血圧治療ガイドラインが2009年に5年ぶりに改訂されました。診察室内での血圧測定だけではなく、家庭での血圧測定も重視した新基準となっています。

 家庭血圧計の普及に伴い、上が135mmHg以上、下が85mmHg以上であれば高血圧と診断されます。家庭で積極的に血圧を測って記録し、医療機関を受診することで、より適切な治療・指導が受けられます。

 ぜひ、家庭で血圧を測り、自分の血圧をまず把握してみましょう。