なるほど健康メモ

塩分摂取量に気をつけることはなぜ大事なの?〜塩分をとり過ぎていませんか(2010年4月号)

ご存じですか?

 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」において2010年から日本人の成人が、1日に摂取する塩分の目標量が変更になります。

 これまでの塩分摂取目標量は、男性10g、女性8gでしたが、男性9g、女性7.5gへとさらなる減塩が目標となり、高血圧患者さんの目標量は引き続き、6g未満が目標です。

 どうして日頃から塩分を気にしなければいけないのでしょうか。

 塩分(ナトリウム)をたくさん取ると、のどが渇きますね。これはナトリウムが増えた血液を「水分補給によって薄めよう」と脳が感知し、のどの渇きとして訴えているからです。

 のどが渇いて水分をとると、結果的に循環血液量が増加します。そのため、一時的に血管内の圧力が高くなり、血圧が上昇します。
 また、塩分の取り過ぎは交感神経を働かせ、血圧を上げることになります。さらに腎臓では、体内におけるナトリウム濃度を一定に保つしくみを持っていて、なんとか血圧が上がらないように調節をしています。
 このバランスが崩れると高血圧になりやすくなります。塩分の摂り過ぎは、血圧の上昇と密接な関係があるのです。減塩が高血圧・動脈硬化を防ぎ、ひいては、心臓病や脳梗塞(のうこうそく)などの予防にもつながるのです。

 長野県が長寿県として知られていますが、減塩運動に取り組み、塩分摂取量を減少させたことが大きな要因とされています。

 まずは、どんな食べ物に、どれくらい塩分が含まれているか、おおよそにでも把握し、自分の食生活を見直し、塩分の取り過ぎを日頃から少しずつカットすることから始めましょう。