なるほど健康メモ

冬季嘔吐下痢症(2010年11月号)

冬季嘔吐下痢症は、突然の嘔吐と引き続く 下痢を主症状とする病気で、しばしば発熱も 伴います。

ロタウイルスやノロウイルスなどが主な原 因で、毎年ノロウイルスが11月から1月頃、 ロタウイルスは1月から3月頃流行する傾向 があります。ノロウイルス胃腸炎は、感染し たカキ貝などの貝類を食べることにより感染 する場合と人から人への感染により発症する 場合があります。

ロタウイルス胃腸炎は、嘔 吐に引き続き白っぽい下痢便になるのが特徴 で、胃腸炎以外の症状としては、熱性けいれ んや無熱性けいれん、肝機能障害を起こすこ とがあります。 治療の基本は対症療法で、吐き気を和らげる薬や整腸剤などがあります。

吐き気や嘔吐 がある時は、胃腸を休めるために口からの飲 食を控えますが、おさまったら少しずつ水分 と電解質の補給をし消化の良い食事をとりま しょう。脱水状態には、十分気をつけてくだ さい。

尿の出が少ない、元気がないなどいつ もと違った状態の時は脱水症が疑われます。 特に小さいお子さんやお年寄りは脱水状態に なりやすいので注意が必要です。脱水症状が軽い場合は、経口補液剤で対応できますが、 おぎない症状が重い場合は点滴で水分と電解質を補う必要があります。

ロタウイルスもノロウイルスも感染力が強 く吐物や便から感染します。家庭内感染や集 団感染することがあり、一緒に生活している 人や看護をする家族もうつってしまうことが あります。

便や吐物の処理の際には、マスク 着用、うがい、手洗いを心がけ予防に努めま しょう。