なるほど健康メモ

流行性感冒(2010年12月号)

インフルエンザが流行する季節になりまし た。インフルエンザの予防接種は済みましたか。
昨年、世界を恐怖に陥れたいわゆる新型インフルエンザ(H1N1pdm)の流行は、幸い今のところ落ち着いていますが、罹患した 場合に重症化する可能性は否定できません。 季節性インフルエンザも子どもやお年寄りが かかってしまうと肺炎や脳炎・脳症といった 合併症の危険性があります。

インフルエンザの流行は、ギリシャ、ロー マ時代からあったといわれていて、予防接種 のなかった時代は、高熱と咳に苦しみ死亡す る人も多かったようです。
ワクチンを接種したにも関わらず、罹患し てしまう時もあり、ワクチンは効かないので はないかという疑念を持つ人もいると思いま すが、1960年代から30年にわたり行われてい た学校での集団インフルエンザ予防接種が果 たしていた役割は大きかったと言われていま す。

1994年の集団接種中止以降インフルエン ザにより死亡する高齢者や小児が増加してい ます。 一つの集団でワクチン接種率が80%あれば ワクチンをしていない人への感染が防げると 言われており、接種可能な人がなるべく大勢 接種することにより、自分の周りの人を守る ことができます。

現行のインフルエンザワク チンによる1歳未満の乳児の感染予防効果は 低いと言われますが、周囲の大人が予防接種 を受け、感染の機会を減らすことが最も重要 です。

安全で有効性を高めるようなワクチン の早急な開発が望まれますが、今季から家族 みんなで予防接種を受けて子どもやお年寄り をインフルエンザウイルスの脅威から守りま しょう。