なるほど健康メモ

ロコモティブシンドローム① (通称ロコモ)(2011年3月号)

ロコモティブシンドローム(通称ロコモ)は、骨、関節、筋肉といった運動器の機能が加齢とともに衰えて、立つ・歩くといった動作が困難となり、要介護や寝たきりになる、またそのリスクが高い状態を指します。

要介護状態となる原因としては、脳卒中(23.3%)、 心 疾 患 (4.3%)が、一般によく知られており、これらの予防のために考えられた概念が、おなじみのメタボリックシンドロームです。

一方、要介護状態になる原因の主な運動器疾患は、関節疾患(12.2%)、骨折・転倒(9.3%)、脊 髄 損 傷 (2.5%)で、合計すると全体の約1/4を占める状況にもかかわらず、一般にはよく知られていません。

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急速に高齢化が進んでいる中で、将来運動器疾患が原因で要介護状態になる人をして、元気で年を重ねていただくためには、運動器疾患の予防の重要性を認知していただくことが必要です。このため日本整形外科学会で、ロコモティブシンドロームが提唱されたのです。

加齢は、体全体におきるため、高齢の方は複数の問題を抱える場合が多く、これらが関わり合って移動能力が低下することなどを総合的にとらえなければなりません。
また、加齢に伴う主な運動器の障害は下記で、 ロコモの三大 疾 病 と言われています。

① 骨粗鬆症による骨折
② 軟骨の加齢を主な原因とする変形性関節症
③ 脊柱管狭窄症による神経障害

そしてこれらが、筋力・バランスの低下、移動能力の低下、さらには要介護状態へとつながっていきます。次回は ロコチェク と ロコトレ などについてご紹介します。

北見医師会