なるほど健康メモ

睡眠時無呼吸症候群【SAS】(2)

今月はSASの診断と治療についてですが、その前に…実はこの病気、頻度は低いものの女性や子どもにもみられます。

SASの有病率は30〜60歳の男性の4%、女性の2%、小児は2%といわれています。小児の場合のほとんどは扁桃肥大が原因です。
確定診断のためには「終夜睡眠ポリグラフ検査」が必要です。この検査で睡眠中の脳波や呼吸状態、酸素飽和度などを調べます。大変そうな検査に聞こえますが、体にセンサーを付けて一晩眠るだけです。
通常、睡眠中に検査をしますので一泊する必要がありますが、夜から朝までの検査ですので仕事を休む必要はありません。

睡眠時無呼吸症候群

SASと診断された場合には治療が必要です。
肥満の人はまず減量です。寝酒や睡眠薬は症状を悪化させますので避けたほうがいいでしょう。重症度によっては異なりますが軽症の場合は専用のマウスピースを使用したり、横向きに眠るだけで軽快する人もいます。

中等症以上の場合にはCPAP(経鼻的持続気道陽圧療法)が世界的な標準治療となっています。これは鼻に装着したマスクから空気を送り込むことで、睡眠中に気道が閉塞することを防いでくれます。最近これらの治療には保険がきくようになりました。
その他、原因によっては手術が必要なこともあります。

治療によって日中の眠気、夜間頻尿、起床時の頭痛や性的機能の改善がみられるようです。また高血圧・糖尿病などにも改善がみられるようです。