なるほど健康メモ

漢方薬(3)

冷え性の人の養生としては、早寝早起き、禁煙、朝食は温かい物を必ず取る、体を温める食材を選ぶ(ニラ、ネギ、温野菜、肉、黒砂糖、人参)、体を冷やす食材を避ける(アイス、生野菜、メロン、イチゴ、冷えた牛乳、ハクサイ、キュウリ)、スカートでなくズボン、運動して筋肉を増やすなどが大切です。迷う食材は温めて食べましょう。

代表的な冷え性の処方としては、胃腸の弱い人に人参湯、真武湯(じんぶとう)、大建中湯(だいけんちゅうとう)を、加齢による冷え性には八味地黄丸(はちみじおうがん)、手足とお腹が冷えている人には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などいろいろあります。
また便秘の人の養生は、おなかを温める食事や飲み物を徹底することです。排便したくなったら場所にこだわらずにどこでもすることが大事です。ただし、痔や便秘と思っていても大腸癌のことがあります。ご注意を。

漢方薬

さて、日本で漢方エキス剤使用量の第一位から第五位までをご紹介します。( )内は適応症状。

第一位「大建中湯(だいけんちゅうとう)」(腹部手術後の腸麻痺、お腹の冷えている便秘)、
第二位「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」(こむらがえり、月経痛)、
第三位「抑肝散(よくかんさん)」(認知症の人の興奮、暴力、幻覚)、
第四位「午車腎気丸(ごしゃじんきがん)」(腰下肢痛(ようかしつう)、下肢の冷えやむくみ)、
第五位「六君子湯(りっくんしとう)」(胃もたれ、食欲不振)。

最後になりましたが、筆者は将来、日本において漢方医学と西洋医学が融合して世界に例のない最良の医療が誕生すると考えています。
困難はあるでしょう。しかし、日本人の知恵と努力により必ずや実現すと思います。