なるほど健康メモ

糖尿病治療の基本(H26.8月号)

糖尿病患者さんの多くは、特別な自覚症状はありません。会社の健康診断で、「血糖が高いと言われた」などをきっかけに、イヤイヤながら?病院を受診された方も多いのではないでしょうか。

以前は「糖尿病は贅沢病」などと言われ、飽食の方の病気と認識されてきました。しかし、日本人の生活習慣が変化し、食生活の欧米化で肉や脂物の摂取が増え、交通の発達は運動量を減少させました。その結果、肥満傾向の方が年々増加しています。

日本における糖尿病患者さんの人数は、予備軍を合わせると二千万人と推定され、代表的な生活習慣病の一つになってしまいました。

糖尿病治療の基本

糖尿病について、最近明らかとなってきたこととして、肥満は血糖を下げる唯一のホルモンであるインスリンの効き目を妨げ、血糖を下げにくくさせることが分かってきました。

さらに、日本人をはじめ東洋人は、欧米人に比べ、インスリンを作り出す能力が明らかに弱いことも分かってきました。従って、我々日本人の糖尿病治療は、まず「少しの肥満も改善すること」が予防・治療のどちらにおいても最も重要なことになります。

口から入ってくるエネルギーから、身体を使うことで消費されるエネルギーを引いた時、その余りが脂肪として体に蓄えられ肥満にな
ります。糖尿病の治療の基本は、肥満を解消すること、つまり生活習慣を見直すことです。

食事療法と運動療法の毎日の積み重ねですので、少しのことから飽きずにゆっくりと継続することが肝要です。