なるほど健康メモ

年のせい?(H26.12月号)

人間、年をとれば体が弱ってくるものです。
「若いころは激しい運動も苦も無くこなしていたのに、最近は坂道でも途中で休まないといけなくなった。いやあ、年はとりたくないもんだねえ」という日常会話はあちこちで聞かれそうです。
しかし、「何を言っているの、あなた、まだ 60 になったばかりでしょう?」ということになると、ちょっと話が変わってきます。50 代や 60 代ではそれほど極端には心肺能力は落ちません。心臓や肺の病気がひそかに進行しているのかもしれません。

運動したときの息切れ、動悸などは心臓弁膜症や虚血性心疾患などに起因する、心不全や慢性肺気腫、慢性気管支炎などの初期症状ですが、よく年のせいにされて、放置され、重症化してから病院に運び込まれることがあります。

歳のせい?(H26.12月号)

病気の進行が徐々に進んでいる場合、このような症状はなかなか異常と認識されません。
一番いいのは、同年代の方と一緒に歩いてみて、もしついていけないようなら、明らかに異常ですので医療機関の受診が必要です。心不全は進行すれば、平らに寝ると呼吸が苦しくなったり(起坐呼吸)、足がむくんできたりします。喘息様の咳がでることもあり、心臓喘息といいます。

余談ですが、長い間喘息で治療を受けていたにも関わらず症状が改善しないで悩まされていたら、心臓の中に大きな腫瘍ができていて、このため心不全が生じ、心臓喘息になっていた、という例がありました。この方は腫瘍を取ったあとは喘息からも解放されています。

動悸、息切れは年のせいとは限りませんので、ご注意を。