なるほど健康メモ

冬はご用心(H27.1月号)

寒い冬がやってきました。風邪やインフルエンザの季節です。手洗いやうがいはされていますか?うがいはみなさん一生懸命されますが、実は手洗いも大切です。意外に手から感染するんですよ。

冬は他の病気もやってきます。特に循環器系の病気は多くなります。寒くなると血圧が上がり、夏と比較して、血圧が収縮期で6mmHg、拡張期で4mmHg高かった、というデータもあります。これは寒冷刺激の影響と考えられています。喫煙者はさらに高くなるそうです。

これに伴って、急性心筋梗塞、心不全、解離性大動脈瘤、不整脈などの循環器系の疾患も増えます。寒冷により血液の粘稠度や凝固性が亢進し、心筋梗塞が増えるといわれています。また末梢血管が収縮し、血管抵抗が上がって心臓の負荷が増えることも一因と考えられます。急性心筋梗塞では急に胸痛がおき、意識消失、顔面蒼白、冷や汗などが生じます。

冬はご用心

血圧の上昇は血管の負担も増大させ、血管が傷つき、血管の壁が縦裂きになり、解離性大動脈瘤が起こります。また、知らないうちに胸部や腹部の大動脈が膨らんでいた場合(大動脈瘤)は、破裂することがあります。これら大動脈の病気も突然、胸痛や腹痛が出現するのが特徴で、前出の心筋梗塞と同様の症状も示すことがあります。

これらの循環器系の急性疾患には前兆がないことが普通です。普段元気な方でも突然このような病気に襲われますので、冬は無理は禁物です。特に、血圧が高い方は、より危険です。健康診断で血圧が高いといわれた方は、元気だからと言ってほうっておかず、かならず医療機関を受診してください。