なるほど健康メモ

アルコールのお話①(H27.8月号)

北見といえば焼き肉も有名。焼き肉にはビールが合いますね。
しかし、アルコールの摂りすぎが良くないことは古くから知られていることです。アルコールの害を消化器的なことを中心にお話ししましょう。なぜ良くないのか?どのくらいが良くないのか?(2回に分けてお話します)

‘なぜ?’か。アルコールは、ほとんどが肝臓で分解され、最終的に酢酸(アセテート)に分解されます。その過程で出現するアセトアルデヒドという物質に肝毒性があるといわれています。そのほか、ビタミン不足や脂肪摂取量を含めた栄養状態の関与、免疫学的機序が報告されています。

アルコールのお話&#9312(H27.8月号)

肝毒性は、急性のものであれば、アルコール性脂肪肝を経由し、アルコール性肝炎を発症することもあります。重症化し、その他の致死的な症状をもたらすこともあります。重症化せず、長期に大量飲酒をすると肝線維化が進み、アルコール性肝線維症から一部は肝硬変に至ります。

また、消化器でアルコールの障害が出現しやすいのは膵臓です。急性膵炎は、強い痛みと、高い致死率(全体で 2.1%、重症化すると10.1%)があり、成因の一位はアルコールで、33.5%を占めます。慢性膵炎も、問題となります。慢性膵炎は、膵臓由来の消化液が不足することによる、脂肪便(下痢)、慢性的な腹痛、続発する糖尿病に悩まされます。

消化器の他にも、神経障害や依存の問題もあります。あえて怖いことばかり書きました。負の面を知ってこそ「酒は百薬の長」となり得るのでしょう。