なるほど健康メモ

知られていない足の動脈硬化(2012年1月号)

皆さんは足の血管にも動脈硬化が起こることをご存知ですか?
動脈硬化と聞いて皆さんは、頭の血管、心臓の血管を連想するのではないでしょうか。実は足の血管にも動脈硬化は起こります。病名としては閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう・AS0)といいます。
食生活などの欧米化や高齢化社会の進展に伴い狭心症や心筋梗塞梗、脳梗塞が増えていますが、足の動脈硬化も例外ではなく、患者数は年々増加しています。

症状としては、足先が冷たい・しびれるなどから始まり、一番特徴的なものは、少し歩くとふくらはぎ辺りが痛くなり歩けなくなるが、少し休むとまた歩けるようになるという症状です。さらに進行していくと、潰瘍(かいよう)・壊死をおこし、ひどくなると足を切断しなければならなくなる恐ろしい病気です。

知られていない足の動脈硬化

また、足が痛くて日常の活動が制限されると、肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病を引き起こし、動脈硬化の進行が早まります。

最近の研究では足の動脈硬化が進行している人の6割の方は頭や心臓の動脈硬化も進行していることがわかっております。
治療としては、病気の進行度や患者さんの状態にあわせて、薬物治療、カテーテル治療、バイパス治療などが選択されますが、症状の軽い方は運動療法も効果的です。 糖尿病の方などでは症状が出にくい場合や、足のしびれや痛みの原因が椎間板ヘルニアなどの場合もありますので、気になる方はかかりつけ医にご相談の上、専門病院を受診されることをおすすめします。
日常生活の過ごし方に留意し、病気の早期発見・早期治療を心がけましょう。