なるほど健康メモ

GERD-胃食道逆流症(2012年4月号)

GERD(ガード)は、「gastro‐esophageal reflux disease」の略語です。日本語では「胃食道逆流症」といい「胃の内容物が食道へ逆流して起こる病気」という意味です。

さまざまな理由によって、胃の内容物の食道への逆流が頻繁に起こるようになると、胃液に含まれる酸のために、胸やけや口の中まで酸っぱい水が上がる感じ(呑酸-どんさん-)が起こります。

狭心症・心筋梗塞と似たような胸の痛みが起こることもあります。
逆流症状のほか、胃酸のために食道粘膜がただれて食道炎(逆流性食道炎)が起こりますが、症状があっても食道炎がなかったり、食道炎があっても症状が軽いことがあるので、逆流症状あるいは食道炎があればGERDと診断します。

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このような、いかにも食道に原因があるような食道症状のほかに、喉の違和感や何か詰まっているような感じ、風邪をひいているわけでもないのに声がしわがれる、慢性的な咳、喘息様(ぜんそくよう)症状など食道外症状があります。

また睡眠障害、中耳炎などもGERDの関連する場合があると考えられています。
胸やけと呑酸は特徴的な症状で、この2つの症状あればGERDと診断しますが、食道炎の重症度の確認、悪性疾患(癌)やほかの疾患がないことを確認するために、GERDの症状が続く人では、一度は内視鏡検査を受けることが必要です。

軽症では自然軽快するものも多いですが、思い当たる症状のある方は医師に相談してみることを勧めます。