なるほど健康メモ

気管支喘息の治療(2012年8月号)

気管支喘息には大きく分けて2つの治療があります。
1つは喘息発作の治療で、もう1つは喘息自体の治療です。

喘息発作の治療はまず呼吸困難(苦しい感じ)を治すことです。そのために安静、吸入、点滴、場合によっては酸素投与を行います。
最も早く症状を改善させてくれるのは蒸気やスプレーそして直接細かな粉になった薬を吸い込む吸入の薬です。吸入には、いろいろな薬が入っているのですが「ベータ刺激薬」という薬が早く効く成分の主体です。

発作の時に次に使用するのは点滴です。多くの場合、狭くなった気管支を拡げる薬や、炎症を止める薬が入っています。

気管支喘息の治療

この2つの治療でも改善しない場合には、薬以外の治療(喉に人工の管を入れて人工呼吸をしたり…)になることもあります。

さて、発作が治まっても、気管支喘息は治っていません。
むしろ1回発作を起こすと、次の発作は起こりやすい状態になっています。

さまざまな刺激があっても発作を起こさない状態になることが、気管支喘息が落ち着いた状態です。昔は気管支喘息は治らないといわれましたが、さまざま薬の開発もあり薬を使用しない状態でも長期間発作がまったく起こらない状態まで改善することもできるようになりました。

現在の気管支喘息の治療の主役は吸入ステロイドという薬です。飲む薬より直接気管支の炎症(体の内の原因)を治してくれます。
発作がないときでも炎症が続いていれば、また発作が起こる可能性は高いのです。しっかりと治しきることが気管支喘息の治療では重要といえます。