なるほど健康メモ

ゆっくりと忍び寄る緑内障 ~日本の中途失明トップの疾患~(H28.11月号)

緑内障は、視神経(目の神経)が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧(視神経にかかる圧)の上昇や視神経の弱さが主な要因です。

日本人の緑内障の8割を占める開放隅角緑内障(POG) は、初期のうちは自覚症状がなく、中期以降、かすむ、見えない箇所があるなどの症状が出てくる慢性で進行性の疾患です。発症すると治る ( 良くなる ) 病気ではなく、うまく付き合っていく必要があり、診断がついたら、まずは薬物療法で眼圧を下げ、進行を抑えます。手術は薬物治療を行っても眼圧が正常値下限まで下がらず、かつ進行する場合に行いますが、視力や視野が回復するわけではなく、慎重に検討する必要があります。また、レーザーにより眼圧を低下させる治療法もあります。あくまでも薬物治療の補助的な位置付けですが、眼に対する負担の少ない治療法です。

目の血管がつまっていく糖尿病網膜症~失明原因2位の糖尿病合併症~(H28.10月号)

実際に診断がつき、治療を受けている方は20%ぐらいで、残りの方はPOGとは知らずに生活されているといわれています。緑内障と聞くと、怖い病気といったイメージをお持ちの方も多いですが、POGは早期発見し、定期的に治療を受けていけば、そう怖い病気ではありません。最近は健診で見つかることも多くなってきています。自分の症状に頼らず、定期健診を受けることが重要です。

最後に、まれですが急性に発症する閉塞隅角緑内障についてお話します。このタイプはかすむ他、頭痛、吐き気が強く、数日で失明します。早期の治療が必要であるにもかかわらず、初めのうちは目の病気とわかりにくく、頭の片隅に置いておく必要のある病気です。