なるほど健康メモ

東洋(漢方)医学について〜3.東洋医学による病気の原因(H29.5月号)

東洋医学で人が健康であるということは、体の調和がうまくとれた状態で、しかもある一定の範囲内でその状態が維持できている場合です。これに対して、その均衡が破れ、ある一線を越えて、自然に元の健康な状態に戻らない場合を病気と考えています。
病気を起こす原因として、次の3つの因子が考えられています。

東洋(漢方)医学について〜1.東洋医学と西洋医学の違い(H29.3月号)

①外因 
自然界における6つの気候状態(風・寒・暑・湿・燥・火)はそのままでは人に害はありません。しかしこれらが多すぎたり、少なすぎたり、あるいは人の体がこれらに対して著しく抵抗力をなくしたとき、病気の発生原因となります。

②内因 
人の精神情志(感情)活動のことで、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の7種類があります。これらを感じても、通常は元の状態に戻りますが、強い感情の変化や長期間継続されると、調節できる範囲を越えて病気になります。

③不内外因(外因でも内因でもない因子)
飲食、疲労、性生活での不節制、創傷、虫獣障害、寄生虫・中毒、遺伝です。

以上の中で、特に①の寒(低温)によるものが問題です。「冷え」と呼ばれるものがこれを含んでいますが、この「冷え」の治療が重要です。「冷え」には人体内の温度差、居住環境の上下の温度差、精神状態、食物の性質によるものなどがあります。「冷え」を改善させることが重要となることが多いです。