なるほど健康メモ

A、B、C+E型肝炎(H30.7月号)

日本で多い肝炎はかつてA型肝炎でした。感染者の便にウイルスが出てくるので、上下水道が整備されていない時代には日本でも流行していました。今でも海外旅行の際は生水に注意が必要で、ワクチン注射をしてから出かける方も多いです。症状は一過性とされますが、発熱・嘔吐のほか目が黄色くなる(黄疸)こともあります。

B型、C型肝炎は、それほど症状が強く出ません。健診でチェックされる血液検査でも肝機能が異常値にならないことがあります。しかし、慢性に経過していると肝細胞が
壊れて少なくなってしまい、肝硬変になったり、更には肝癌になります。感染性は弱いので、ヒトからヒトに感染することは夫婦間でも稀で、感染していても通常の生活を送って何も問題ありません。

A、B、C+E型肝炎(H30.7月号)

日本でB型、C型肝炎が大きな問題になったのは、かつて注射針の使いまわしで集団感染したからです。健診ではわからないこともあるB型、C型肝炎ですが、幸いにも北見市では40才以上の市民に肝炎ウイルスの検査を補助してくれています。申し込みすれば受診票を発送してくれます。ぜひ活用してください。

最後にE型肝炎ですが、2017年にこのウイルスが混ざっていた輸血製剤で患者さんが亡くなる事故がありました。以後、イノシシ・シカの生肉を摂取した人の献血お断りの対策がとられたようです。実は、北海道はE型肝炎が多く、中でも北見は某病院の入院患者の10%が既感染者だったと昔に研究者の方から聞いて驚いたことがあります。感染しても症状が出ない人が多いので気づかれにくい病気です。

ただ、よく焼けば鹿肉も全く安全です。北見名物の焼き肉もよく焼いて楽しみましょう。