なるほど健康メモ

骨粗しょう症(H30.9月号)

骨粗しょう症とは、骨がもろくなり骨折しやすくなってしまう状態です。高齢化に伴いその数は増加傾向で、現在は1,300万人以上と推定されます。骨粗しょう症自体は痛みなどの症状はないのですが、転んだり手をついたりしたわずかな衝撃で骨折してしまいます。骨折が起こりやすい場所は背骨(腰椎圧迫骨折)、脚のつけね(大腿骨頸部骨折)、手首(橈骨遠位端骨折)などです。腰椎圧迫骨折では、慢性的な腰痛があったり、背中が曲がってきたり、背が縮んでくることがあります。

からだの中の骨は常に、骨をつくる「骨形成」と骨を壊す「骨吸収」を繰り返しています。骨粗しょう症はこのバランスが崩れることで起きますが、食事や運動、喫煙などの生活習慣、また女性ホルモンの減少や老化と関わりが深く、圧倒的に閉経後の女性に多くみられます。

診断は、レントゲン、骨密度の計測、採血による骨代謝マーカーを計測することで治療の必要性や方針を決めます。

骨粗しょう症(H30.9月号)

骨粗しょう症は予防が大切な病気です。栄養バランスの良い食事を心がけ、特に骨の強化に欠かせないカルシウム、ビタミンD、ビタミンKを積極的に摂りましょう。日光に当たることで、カルシウムの吸収を促進するビタミンDが作られるので、適度な日光浴も重要です。また、骨密度は運動することで増加し、筋力をつければ転倒予防にもなります。

薬物療法には骨吸収を抑制する薬や、骨形成を促進する薬などがあります。

日本は世界でもトップクラスの長寿国ですが、骨粗しょう症により骨折をしてしまうと寝たきりになってしまう可能性が高まります。健康で自立した生活を送れる「健康寿命」を長く保つためには骨を健康に保つことが必要です。