なるほど健康メモ

COPDという病気を知っていますか?①(R2.11月号)

COPDはChronic Obstructive Pulmonary Disease(慢性閉塞性肺疾患)と言う病名の略称です。「肺気腫」と「慢性気管支炎」の2つを合わせたものと考えてください。日本人1万人に「病名を知っているか?」と聞いた調査では、肺気腫の65.7 %、慢性気管支炎の60.0 %に対し、COPDは27.8 %と、あまり知られていませんでした。でも、昨年度の厚生労働省の統計では、17,836人の方がCOPDで亡くなり、男性の死因で第8位となっています。

このため、国は「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21)」で、令和4年度までにCOPDの認知度を80%にすることを目標としています。

COPDという病気を知っていますか

この疾患は、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入することで生じる肺の炎症性疾患です。肺気腫と慢性気管支炎の病態が同じ肺に重なって現れるため、2つを合わせ、国際的にCOPDという病名で統一されています。

日本では、40歳以上の人口の8.6%、約530万人のCOPD患者が存在すると推定されて います。しかし、正しく診断され、適切な治療を受けている患者さんは約22万人です。この病気の認知度が低いこと、COPDの初期症状が、息切れ・咳などと軽い症状のため受診を控えたり、無症状の人もおり、発見が遅れるからと考えられます。

COPDは喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病と言えます。今年の世界COPDデーは11月18日です。現在、喫煙をしている方、息切れや咳・痰・喘鳴を自覚している方、これを機会に、一度病院を受診し、 呼吸機能検査をしてみませんか?

次回は、その検査方法などについてお話しします。