なるほど健康メモ

糖尿病の新薬〜その1〜(H26.6月号)

今では我が国で2千万人の方が糖尿病、あるいはその予備軍と言われています。その多くは、生活習慣に起因する代表的な病気のひとつの2型糖尿病です。基本的には、いまだ治らない病気であり、また治療するのになかなか難渋します。

基礎的な治療は、食事と運動ですが、これで効果が不十分な場合に何らかの薬を併用します。これまでも、インスリン注射や内服薬による治療が行われていますが、研究開発により、より効果的な薬が使えるようになってきました。

糖尿病治療は、時間経過とともに一度は改善した血糖が、再び悪化したり、厳しく下げようとすると血糖が下がりすぎる低血糖とい う副作用に悩まされたり、また体重が増えて しまったりというさまざまな不都合が問題と されてきました。

糖尿病の新薬

そこで、これらの解決を期待され、約4年前にDPP-4阻害薬という新薬が開発されました。この薬は、血糖がある程度高くなったときにのみ膵臓に作用し、インスリンというホルモンの分泌を促し血糖を下げます。したがって、低血糖になりにくく、体重も増や しにくいという都合のよい特徴を持っており、 今では、2型糖尿病の患者さんの半数以上の 方に使われています。

今後は、一度は改善した血糖が再び悪化していかないか否かを長期的に注意深く観察していく必要があると考えられます。

今のところ、糖尿病は一生付き合わなければならない病気です。薬を糖尿病治療の中に適切に組み込んで、よりよい治療を目指しましょう。