なるほど健康メモ

おくすりの飲み方①(H28.2月号)

毎回このコーナーでは様々な診療科の専門医が健康を守るため、知ってもらいたい大切な情報を載せていますが、今回から診療科を越えて、日常診療でよくお話させてもらうお薬の飲み方のちょっとしたコツを書いてみたいと思います。

①「かぜのお薬」の飲み方
かぜ症候群はいろいろなウィルスによるのどや鼻の粘膜などへの感染症で、鼻炎、咽
頭炎などの症状を来す病気の総合的な呼び名です。

治療の主役はお薬を飲むことではなく、ウィルスに対する抵抗力をしっかり保つことです。すなわち患者さまご自身の免疫細胞がウィルスを退治するよう体温を保ち、水分、栄養、ビタミンをしっかりとることが何より大切です。

おくすりの飲み方①(H28.2月号)

医療機関での治療は対症療法といって、普通はウィルスを直接退治するお薬は使わず、症状に合わせて熱冷まし、咳止め、鼻水止めなどを処方、またはそれらがまとめて含まれている総合感冒薬を使用します。熱がそう高くもないのに強い熱冷まし(消炎鎮痛剤)を使うと体温が下がりすぎてしまい、免疫力が低下してしまうことがあるといわれています。
また、鼻水止めの薬の一部には強い眠気やだるさが出るものがありますから、風邪の時期(ひき始め、熱の高い時期、ひき終わりで熱は下がってだるい時期など)や症状(熱、鼻水、咳の状況)に合わせて、お薬を選んで服用することが大切です。

風邪をひいたら単純にかぜ薬をそのまま飲むのではなく、きちんと医療機関で相談しましょう。漢方薬を利用して体を温めたり、サプリメントを利用し、ビタミンBやCをとってもらうのもよいですね。