なるほど健康メモ

胃薬の飲み方(H28.4月号)

今回は胃薬についておしらせします。胃が痛くなって、お薬を飲むという経験は誰にでもあると思いますが、実は胃や腸の消化管には感覚がなく、厳密に言えば胃は痛くなりません!(もし感覚があったら食べるたびに胃の中がゴロゴロ、チクチクして大変です)痛くなるのは外側の腹膜に感覚があり、胃の動き(張りや収縮)を感じていることが多いのです。

食べたものを消化するときに、胃の細胞から消化酵素や胃酸が出るのですが、何らかの理由(主に消炎鎮痛剤などのお薬の影響、ピロリ菌の影響など)で胃粘膜表面にある粘液のバリアの効果が弱くなったときに、自らの消化液で胃壁の細胞がダメージを受け、赤くなったり、ただれることを胃炎(ひどくなれば潰瘍)と言います。

胃薬の飲み方(H28.4月号)

医療機関で治療に使う薬は、①胃酸をコントロールするお薬②胃粘膜を保護するお薬③機能改善のお薬④神経に作用するお薬などがあります。これらを組み合わせて治療するのですが、症状があるときだけ飲んだり、調子が良いからといって自己判断で内服を休んでしまうのでは、治りきっていないうちに治療を中断することになり、また悪くなってしまうことが多いのです。内服で症状が緩和されても医師の指示通り、しばらく内服を続ける方が再発が少なくなります。

また、少しずつ胃酸を押さえる力の弱い薬に変更しながら様子をみて、休薬するようにすると再発しづらいようです。最近はヘリコバクターピロリ菌を調べて、必要に応じて除菌治療をすることで、胃がんになりづらくなることがわかってきました。思わぬ病気が潜んでいることもあります。内視鏡検査を受けて中の状態を観察しておくことも重要です。