なるほど健康メモ

動くことで健康になる(H28.12月号)

近年、世界では運動の効用についての研究が、以前にも増して盛んです。まず様々な癌の予防に役立つことがわかってきました。

今年6月に米国医師会雑誌で発表された144万人を対象に行われた研究では、毎日1.6kmを20分で歩く程度の運動を続けることで、食道癌が42%も減少したうえに、肝臓、肺、腎臓、胃噴門、子宮内膜癌、骨髄性白血病が20%以上も減少することがわかりました。

日本人の半分は癌に罹患し、3分の1は癌で命を落とす時代です。癌予防に運動が有効というのであれば、習慣化させたいものです。

動くことで健康になる(H28.12月号)

さて、8月に医学誌ランセットで発表された研究では、縁石などがある実際の道を普段から注意深く歩く方が、転倒を予防する効果があると示されています。

多くの転倒は、障害物に近接しすぎることが原因となることから、実際の道のような障害物のあるバーチャルな道をテレビの大画面で見ながら、ウォーキングマシン上で歩くトレーニングをすると、障害物をよける能力が向上し、約40%も転倒率が低下することが明らかとなったのです。

一方で、運動で注意しなければならないのは、長い時間、紫外線を浴びることでリスク
が上がる皮膚の悪性疾患である悪性黒色腫です。日中、外で運動する場合には肌を露出させないような工夫をしましょう。

運動が、心臓血管病、糖尿病予防に有効であることは、皆さんもご承知の事と思いますが、多くの癌、転倒の予防にも役立つことを知って頂いて、新鮮な空気を吸い、景観を楽しみながらも注意深く歩くことを実践していきましょう。