なるほど健康メモ

自閉症児支援のための新しい試み(H29.1月号)

発達障害のひとつである「自閉症スペクトラム障害」の発症率は、約1%とも報告され、その数は増加傾向にあるといわれています。

自然な会話、自分の感情のコントロール、相手の気持ちの推測などの困難によって「ソーシャルスキル」が顕著に低いことから、健全な社会生活を営むために、適切な支援が必要な障害です。

2016年10月号の医学誌ランセット誌では、2歳から4歳11カ月までの自閉症児を対象に「障害の程度に合わせた適切な、また早期の介入の中で、『親』が子どもとのコミュニケーション技術を獲得するための特別な訓練を受けることで、自閉症児のコミュニケーション能力、及び社会性の発達を改善させ、またその効果が持続的であること」が報告されました。

自閉症児支援のための新しい試み(H29.1月号)

子供の発したシグナルに対して即座に、話の流れを変えないで対応する、親子のコミュニケーションの強化のためにパターン化した行動様式を繰り返しとる、子供の発した言葉に呼応しそこから派生した語彙(ごい)を使用して表現の広がりを育むなどといった項目が含まれる「PACT 療法」と名づけられた治療法の登場は、自閉症児支援のための「親を対象とした具体的な介入」の可能性を広げ、今後、一般臨床・教育福祉の現場で十分に応用できると期待が高まっています。