なるほど健康メモ
東洋(漢方)医学について〜2.漢方治療の長所(H29.4月号)
西洋医学では、自覚症状(自分で分かる体や心の変化)があっても、通常の検査で異常をはっきりと示さない場合や、目で見ることのできないものに対しては「病気ではない」とされたり、「神経質な状態」として精神安定剤などを処方され、経過をみるだけのことがあります。
しかし、漢方では症状がある限り、それは病的状態だと解釈し、脈、舌、腹部など、多くの身体所見と主症状やその他のさまざまな症状を参考に治療法を選びます。このため、例えば同じ腹痛という症状があっても、人それぞれに異なった漢方薬を処方することになります。
また、未病と言って完全な病気になっていないものに対しても治療することがあります。
それでは、漢方の治療をお勧めできるのは、どんな病気なのでしょうか?
以下にあげていきます。
1. 原因の分からない疾患や、明らかな病態の見いだせないもの
2. 病因や病態は分かっていても治療法が確立していないもの
3. 副作用などで現代医学の治療法が適用困難なもの
4. 心と身体の異常が絡み合っている病態
5. 病変が多部位にわたり、愁訴の多いもの
などとなります。