なるほど健康メモ

献体について(H30.1月号)

皆さんは「献体」という言葉をご存じでしょうか?そもそも「献」とは神様に物を供えるという意味からできた漢字で、そこから目上の人に物を差し上げるという意味で使われています。「献血」という言葉は皆さんもよくご存じだと思います。血液を必要としている患者さんに血液を差し上げるという意味です。

「献体」は漢字の通り自らの体をすべてそのまま差し上げるという意味です。具体的には、亡くなった方が自分の遺体を無償で医学の研究や発展のために提供することです。提供する相手は、通常医学部のある大学やその関連団体です。

献体について(H30.1月号)

医師は複雑な人間の体を相手に治療を行いますので、人体の解剖や構造をより正確に学ぶ必要があります。また新しい手術術式などの技術習得に解剖学的な学習が欠かせません。生前のご本人のご希望によりいただいた「献体」が新しい医師を育て、そして新しい医学の発展を担っています。

「献体」を行うにあたって2つの準備が必
要となります。2つは大学や関連団体に生前から登録すること、そしてもう1つは家族や関係者の同意を得ることです。

亡くなられた後は葬儀を終えた後、いった
んお身体を大学などに預けることになりますので、ご家族の方に遺骨が届くまでに1~3年ほどかかります。「献体」は医学に貢献する大変意義のある行為ですが、死後ご本人の意思を実行されるのはご家族です。希望されるご本人とその希望を叶えるご家族の方、双方の医学へのご理解とご協力が必要となります。