なるほど健康メモ
貧血を疑ったら(H30.6月号)
一般に「貧血」という言葉は、校長先生の話が長くて生徒が倒れてしまった、というときにも使われますね。しかし、これはいわゆる「立ちくらみ」で、病気としての「貧血」ではありません。
「貧血」とは、血液の中の赤血球という細胞
が少なくなった状態です。赤血球は血管で全身を巡りながら酸素を身体各所に供給しています。ですから、貧血になると酸素不足でめまいがして息が切れるのですが、「立ちくらみ」と症状が似ているので混同しやすいですね。貧血を疑ったら、鏡に向かってアッカンベーしてみてください。下のまぶたの裏が赤かったらOK、白っぽいピンクだったらお医者さんに行きましょう。
病院では血液検査してくれます。一番多いのは鉄欠乏性貧血なので、鉄剤を処方されることが多いと思います。鉄は赤血球の原材料なので1~2か月で貧血はよくなります。ですが、ここで安心して通院をやめてしまっては一大事! 鉄欠乏性貧血は、原因究明が大事です。癌から出血して貧血になっていることがあるからです。
消化器系なら胃癌や大腸癌、婦人科系なら子宮癌や子宮筋腫の検査が欠かせません。不思議なことに、胃潰瘍なら痛いのに、胃癌では痛みがないことがあります。大腸癌は、ほぼ痛みがありません。少量ずつ出血してゆっくり貧血が進行した時は、特に女性は体が貧血に慣れてしまうので息切れ症状すら出ないことがあります。
まったく症状がなくてまさかと思っても、貧血と診断された時は、お医者さんとよく相談してください。