なるほど健康メモ
眼瞼下垂症〜がんけんかすいしょう〜(H30.8月号)
眼瞼下垂症とは、上まぶたが下がって目が開けづらくなる状態です。上まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋〜がんけんきょきん〜)の何らかの障害により起こります。
原因は大きく分けて先天性、後天性のものがあります。先天性のものは眼瞼挙筋の形成や発達の異常が原因です。後天性眼瞼下垂の殆どは腱膜性の眼瞼下垂で、眼瞼挙筋の端にある腱膜という膜が伸びきったり緩んだりすることで起こります。多くは加齢によるものですが、よく目を擦る人や、コンタクトレンズの長期装用によって起きることもあります。他には、神経に障害が起きたもの、外傷により眼瞼挙筋の断裂したもの等があります。
眼瞼下垂症ではまぶたが重く開きづらく目に疲れを感じる事の他に、目が開かない代わりに額の筋肉でまぶたを持ち上げようとして眉毛が上がり、額に皺が寄ります。顎が上がって姿勢が悪くなり、頭痛、肩こり、疲労の原因となります。一生懸命目を開けようと食いしばるので、顎関節に異常が起きる事もあります。
治療は原因や症状により方法が異なりますが、多くの場合手術で治すことができます。腱膜性眼瞼下垂の場合は、緩んだ皮膚を切開し、緩んだ眼瞼挙筋を縫合します。まぶたが開きやすくなり、肩こりや頭痛が楽になることも多いです。
眼瞼下垂症のセルフチェックをしてみましょう。鏡を見ながら額の筋肉を使わずにまぶたを上げるテストです。①目を閉じる。②額の力を抜いてリラックスする。③眉が動かないように指で固定する。④目を開く。この状態で瞳孔にまぶたの縁がかかっていれば眼瞼下垂症の疑いがあります。不安があれば近くの病院で相談しましょう。