なるほど健康メモ

腰痛症(R元.6月号)

ソチ五輪での日本選手の活躍は目覚ましいものでした。41歳のレジェンドと言われたスキージャンプの葛西選手は、腰痛をコントロールして銀メダルを獲得しました。他方、フィギュアスケートでは、ロシアの“皇帝”は腰痛のため演技を棄権し、日本の 19歳・羽生結弦選手が金メダルを得て、続く平昌五輪でも優勝したことは記憶に新しいところです。

アスリートに腰痛の多いことは明らかにされており、スポーツはしばしば腰痛を伴いますが、スポーツ活動も適度であれば腰痛の予防によいのです。

腰痛症(R元.6月号)

腰痛はアスリートだけに発症するのではありません。専門医に行く一般の患者さんの多くは、原因のよく分からない非特異的と言われる腰痛です。単純なレントゲン検査だけでは原因が分からないことが多く、消炎剤などで良くなるものが多いのです。

一方、アスリートは決まった動きを繰り返すために、特定の部位に負荷をかけることが多いので、それが少なくなるような使い方を身につけるよう指導されます。

スポーツ医学は一部のアスリートのための医学ではありません。人間の腰痛の病態は共通するものが多く、対処方法は、アスリートも一般のそれも同じです。

専門医は病歴・現在の状態や他の検査などから、レントゲンなどの所見がなくとも病態を推定します。一般の人は、病態に負担のない姿勢や体幹筋トレにより改善されること、そして自分の体を変えてゆくことを心掛けることで楽になることも、知ってください。