なるほど健康メモ

他人の視線と自分の主体性(3)(R元.10月号)

「はにかみや」は他人の視線のもとで主体性 を揺るがせている人達の代表的な存在ですが、これはほとんどの場合病気ではありません。

「はにかみや」には他の人と仲良くしたい、信頼されたい、時には尊敬されたいという気持ちがありますが、相手に対し心理的な距離を感じており、自分は誤解されやすいと思っています。自分が良いことをしようと思っても(偽善)、思い切り自己を表現しようとしても(虚栄心)という言葉が頭に浮かび、行動が制限されます。また、時には自分が運よく成功しても他からねたみを受けるような気がし、運悪く失敗すれば嘲笑されるような気がします。だからその行動は控えめになり、目立たないようにしています。

他人の視線と自分の主体性(1)(R元.8月号)

ですが、「はにかみや」に対する他の人の評価は悪いものではありません。仕事は普通に行っており、社会の規則に従っています。しかし本人が他からの評価を気にするあまり、それがストレスになる事があります。こういった状況から抜け出すには、自分の評価を気にするより、他の人と仲良くする努力をし他の人を信頼し、その良い所を見つけ尊敬できるようになれば「はにかみや」の悩みは克服できます。

社会的に成功し指導的な立場にある人が若い頃「はにかみや」だったという話を聞き、驚いたことがあります。しかしこんな例は意外と多いようです。

日本の家庭で社会に適応する育て方の中で「そんなことをすると人に笑われますよ」「そんなことをしたら人に嫌われますよ」と、隣近所の人達に対する配慮や世間に対する気遣いを中心に教育している為ではないかと思われます。