なるほど健康メモ
NASH(R2.8月号)
NASHとは、非アルコール性脂肪肝炎の略です。肝臓に炎症が起こる病気で、脂肪肝になった人の一部に発症します。
NASHは、男性がなりやすいのが特徴ですが、女性の場合も、更年期を迎える50歳以降になると増加し、60歳でピークになるといわれています。
脂肪肝の主な原因は、食べすぎや運動不足などによる肥満です。また、短期間で無理に痩せようとするのも原因です。急激なダイエットはたんぱく質の不足を招きやすく、肝臓に中性脂肪がたまりやすくなってしまうのです。NASHは、その前段階である非アルコール性脂肪肝の人の一部に発症します。
NASHを発症しやすいのは、男性、50歳以上の女性、BMIが23以上、生活習慣病がある、血液検査でALPやASTの値が高い、血小板の値が低いなどの人です。
NASHから直接肝がんに進行することもあります。60歳以上、BMIが30以上、2型糖尿病、血液検査で血小板の値が低い、肝機能が低下しているといった条件に当てはまる場合は、その危険性が高くなります。
運動療法は、1日30分の早歩きがお勧めです。
糖尿病の薬には、インスリン分泌を促すピオグリタゾン、脂質異常症には、スタチンなどが使われます。高血圧の薬では、ARBの使用が推奨されています。こういった病気がなくてNASHの人は、ビタミンEを服用します。ビタミンEには脂肪がたまって肝細胞に酸化が起こるのを抑える働きがあります。