なるほど健康メモ

C型肝炎(R2.9月号)

C型肝炎は人間の血液の中のC型肝炎ウイルス(以下HCVと書きます)に感染することによって起こる肝臓の病気です。1989年(平成元年)に初めて発見されたウイルスで 、それまでに行われた輸血や注射針の使いまわしなどで多くの人が感染しました。

日本の感染者は大体100人に1人とされ、長い年月をかけて無症状のまま慢性肝炎・肝硬変・肝がんといった重い病気に進行するケースが多くみられます。しかし感染した人すべてがこのようになるわけではありません。病気の進行の速さは人によって全く異なっており、何十年経っても全く変わりない人もいます。

C型肝炎(R2.9月号)

C型肝炎は進行すると肝硬変になり、年7~8%が発癌します。正常な人の4千倍です。人類にこれ程発癌しやすい病気はありません。また静脈瘤、難治性腹水、肝性脳症等の治療が必要になります。C型肝炎は癌との戦いになります。

C型肝炎を治したいと肝臓の医師は夢を見ていました。それが肝癌を予防する最善の方法だからです。平成4年からインターフェロン治療が登場しました。副作用が強い割には30%の人しか治りませんでした。以後いろんな治療が試されましたが、患者さんに苦痛を強いるものでした。

現在は、DAAと呼ばれる内服薬で簡単に治癒する疾患になりました。治療に興味がない方も、発がん率はやや高いので治療を勧めます。また以前治った方からの発癌もあり年1回は病院を受診しましょう。