なるほど健康メモ

より良い見え方を保つために〜眼科検査の勧め(2011年9月号)

人間が外から得る情報の80%は目から入ると言われています。生活の質の維持には、見え方が保たれていることが大事です。
日本での失明原因の1位は緑内障、2位は糖尿病網膜症で、この2つの病気で、全国で約6万人以上の方が失明されています。

緑内障は視神経が障害され、視野(見える範囲)が欠けて見えにくくなり、進行すると日常生活に支障をきたします。
日本人では、40歳以上の約20人に1人の方が緑内障を発症していると推定されています。
視野が欠けても、初めのうちはほとんど気がつきません。緑内障がかなり進行して、はじめて、視野が欠けていることに気がつきます。
また、視野が大きく欠損してから治療を始めても進行を抑えることが難しいので、早期発見が大切です。
少なくとも40歳になったら1度、眼底検査を受けることが勧められています。

より良い見え方を保つために〜眼科検査の勧め〜

糖尿病網膜症は糖尿病の人に起こる病気で、網膜の血管が弱くなって、出血やむくみなどが出てきます。ついには網膜剥離(もうまくはくり)を起こすなどして視力が低下します。
網膜症は発症までに時間がかかり、初期は自覚症状がほとんどないので糖尿病と分かったら、眼底検査を受けて自分の網膜の状態を知っておくことが大切です。
また、進行状態も自分では分からないため、視力低下や飛蚊症(ひぶんしょう)などの自覚症状が出てからでは、手遅れになる恐れがあります。
糖尿病の方は、定期的に眼底検査を受けて進行状態をチェックする必要があります。

点眼薬、手術など医学の進歩によって、多くの目の病気が、治療できるようになってきました。
その恩恵を受ける為には早期発見・早期治療で進行を遅らせ、失明を防ぐことが大切です。

次回は、黄斑変性症(おうはんへんせいしょう)、高度近視、飛蚊症、白内障などのお話です。