なるほど健康メモ

気管支喘息(2012年7月号)

普通に息をしている時の胸や喉では音はしないのですが、時々ゼーゼー・ヒューヒューと音がするヒトがいます。
この音は喘鳴(ぜんめい)と呼びます。気管支(鼻や口から空気を肺まで運ぶ管)に原因があって喘鳴がおこる病気が気管支喘息(ぜんそく)です。

気管支喘息という病気であっても、いつもゼーゼーしている訳ではありません。普段はなんともないのですが、何かのきっかけで息が苦しくなってしまうのです。
この状態を気管支喘息の発作(ほっさ)といいます。

また、あまり喘鳴はみられずに咳だけが続けて出ることもあります。
咳だけの時には「カゼをひいた」と思われている方も多いのです。この咳が喘息の症状である場合は、カゼの治療だけをしても良くなりませんし、かえって症状が悪化する場合もあります。

気管支喘息

また喘鳴は他の肺の病気でもみられ、痰の多い慢性気管支炎という病気や、息切れが強くみられる肺気腫という病気でもみられます。
それぞれに治療が少し異なっていることに注意が必要です。

喘息発作の原因は体の外と、体の内の両方にあります。
体の外の原因はアレルギーと呼ばれるものが多いのですが、案外、発作以前はアレルギーに気がついていないことがあります。
体の内の問題としては、これらのアレルギーの原因があっても、体が反応しなければ発作は起こりません。
体の側がこの様な原因に非常に鋭く反応する性質を過敏性といいます。体の内外の多くの原因から、気管支に特殊な炎症がおこった状態が気管支喘息なのです。

来月は気管支喘息の治療についてお知らせいたします。