なるほど健康メモ

COPDという病気を知っていますか?③(R3.1月号)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療についてお話しします。まずは禁煙です。電子タバコに逃げないで下さい。家族の援助や禁煙外来をしているクリニックを受診してはいかがですか?

次に薬物療法です。副交感神経阻害薬と交感神経刺激薬の2種類の吸入薬と、それらが一つの容器に入った合剤タイプの吸入薬があります。さらに、粉を吸入するタイプとガスを吸入するタイプがあり、吸入方法が異なります。主治医は患者さんに合わせて薬剤と吸入器を選択します。現在は、調剤薬局の薬剤師が吸入指導を行う体制が整い始めています。 ぜひ家族の方も一緒に吸入指導を受けて下さい。尚、副交感神経阻害薬は緑内障や前立腺肥大による排尿障害のある患者さんには処方できません。問診の際に必ず、医師・看護師・ 薬剤師に伝えて下さい。

COPDという病気を知っていますか

もう一つ大事な治療が、呼吸リハビリテーションです。COPDは日常の活動量が減ると、病気の悪化や合併症を起こす危険性があ ります。そのため、日常生活の中で少しでも 動くように意識することが大切です。「息切れが心配」という方は、腹式呼吸と口すぼめ呼吸を覚えて下さい。口すぼめ呼吸とは、鼻から息を吸い、口をすぼめて長く息を吐く呼吸法です。目の前にあるロウソクの火を消すイメージを持って下さい。この呼吸法を覚える と、しっかり息を吐き切れ、次の吸気でたくさん空気を吸うことができます。体を動かす時や、息苦しい時に役立ちます。「さあ万歩計を持って、外に歩きに行きましょう!」と本稿を終える予定でしたが、今、外は寒く、雪道です。 転倒でもしたら元も子もありません。ですので、窓際で日光を浴び、口すぼめ呼吸をしながら足踏みやもも上げ、屈伸運動や、ストレッチでも十分です。温水プールでのウォーキングも良いですよ。