なるほど健康メモ

診察室血圧値と家庭血圧値(R3.2月号)

現在わが国の高血圧人口は3,000 万人を超えており、高齢化社会の進行に伴い今後一層の増加が推測されています。

従来、高血圧の診断や治療効果の評価は、 病院や診療所で測定された診察室血圧値に基づいて行われてきましたが、心血管イベント抑制には24時間の厳格な血圧コントロールが重要であり、月1回程度の診察室血圧値ばかりでなく、毎日の家庭血圧値を含めた評価が大切であると明らかになってきました。また、医師や看護師の白衣を見ただけで緊張してしまい、それによって血圧が一時的に上昇してしまう白衣高血圧の人が想像以上に多いのが現状です。

診察室血圧値と家庭血圧値(R3.2月号)

家庭血圧値による高血圧の基準は135/85mmHg以上(診察室血圧値140/90mmHg以上)、降圧目標値125/80mmHg未満(同130/85mmHg未満)と、 家庭血圧値による高血圧の基準、降圧目標値はいずれも診察室血圧値よりも5mmHg低値になっています。

家庭血圧の測定は、上腕用の血圧計を使用して朝と晩の2回行います。指用や手首用の 血圧計は不正確になることが多いのでお奨めできません。朝は起床1時間以内、排尿後、座位1~2分後の安静後、降圧薬服用前、朝食前に、また晩は就床前、座位1~2分の安静後に測定することが推奨されています。

検診で血圧が高いと言われた方、血圧が気になる方は家庭血圧を(1週間以上)測定の上、受診してみて下さい。