なるほど健康メモ

緑内障のはなし(R3.9月号)

前回話題にした白内障と言葉の響きは似ているものの、その正体は全く違う眼の病気があります。「緑内障」です。これは視神経が傷害され、見える範囲...すなわち視野が狭くなったり部分的に欠けたりする病気です。

以前は、眼の圧力...すなわち眼圧が高くなり、その圧力により視神経にダメージが加わり緑内障になるとされていました。眼圧が高くなると、本来は透明である黒目の表側の角膜が腫れて白く濁りますが、これを昔は緑がかっていると感じたそうで、ここから「緑内障」という名が付いたという説があります。

ですが、最近の研究では、眼圧が高くなくても緑内障になってしまう場合が多くみられることが判明しています。

緑内障のはなし(R3.9月号)

一度視神経が傷害されて視野が狭くなったりすると、その部分を取り戻す術はありません。よって、緑内障の治療は、悪化を防ぐことが目的となります。そのためには、眼圧を極力下げることが大切になります。現在行われている緑内障の治療は、点眼によるものが主な方法となります。近年、様々な新しい点眼の開発が進んでいることもあり、点眼治療 によって多くの例が失明を免れています。ですが、点眼治療だけでは緑内障が進行し、レーザーや手術による治療で緑内障の悪化を食い止める必要がある例も一部にあります。

緑内障は、一旦進んでしまうと再び緑内障になる前の状態に戻すことはできませんので、早期発見が大事になります。そのため、健康診断などで眼底写真撮影を受けて、もし緑内障になっていても早く見つけられるようにすると安心かと思います。