なるほど健康メモ
糖尿病(3)(R4.4月号)
糖尿病は高血圧、高脂血症と同様に動脈硬化を起こします。このため、全身に種々の異常が生じます。初期には口渇による多飲多尿体重減少といった典型的症状が現れます。加えて疲れやすくなり立ちくらみや足のしびれ等が起こります。しかしこれらの症状は軽く慣れもあり、病気と気付かないままに経過し合併症が出てから病院を受診し、糖尿病と診断されることが少なくありません。
合併症には、足の神経の障害のためけがをしやすくなり膿んだりし悪化すると足を切断することもある糖尿病性神経障害、目の網膜の血管に障害を生じ最悪の場合失明する糖尿病網膜症、腎臓は細かい血管が集まった臓器でありその機能が損なわれ進行すると人工透析になる糖尿病性腎症。この3つを糖尿病の三大合併症といいます。
これ以外にも心筋梗塞や脳梗塞を何倍もの確率で起こしやすくなります。それから、骨折、歯周病、認知症等も多くなります。これらの合併症は通常5〜10年たってからはっきりとした自覚症状が出てくるようです。
また、これらの合併症がよくなるような治療法はまだなく現状維持が精一杯です。ですから、糖尿病の治療はがんと同様、早期発見・早期治療が大事です。健診で糖尿病の疑いを指摘されても症状が軽いため受診しない、また治療を中断する人も多くいます。インスリンや薬を使った治療もありますが基本は食事と運動です。糖尿病は治らない病気で長期にわたり食事制限や運動等、生活習慣の見直しが必要になります。
また高血圧、高脂血症のような他の生活習慣病も同時に治療するなど体全体の管理が大事です。治療は長く大変ですが放置すれば悲惨なことになりかねません。早期発見のため健診は毎年きちんと受けましょう。