なるほど健康メモ

認知症予防のための生活習慣(R4.12月号)

長引くコロナ禍で人とのコミュニケ―ションの機会が減っています。外出する機会や日頃の運動量も減り、趣味や社会活動への参加や人との会話も減るなど、脳の認知機能が非常に低下しやすい状況が続いています。反対に言えば、外に出る機会を増やす、人と話す機会を増やすなど、人との関わりを増やすことは認知症の予防となります。

多くの研究により、認知症疾患の発病には加齢など変えることのできない要因だけでなく、身体不活動や不健康な食事、過剰な飲酒、喫煙といった望ましくない生活習慣や、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、うつ病などが深く関わっています。

認知症予防のための生活習慣(R4.12月号)

誰もが年齢を重ねれば必ず認知症になるわけではありません。WHO(世界保健機関)が発表した認知症予防のためのガイドラインでは、身体にとって良いことは脳にとっても良いことが示されています。高血圧、脂質異常、糖尿病などの生活習慣病のしっかりした管理や治療は、脳卒中や心筋梗塞などの予防だけでなく将来の認知症予防にもなります。

「薬に頼るのはイヤ」「持病はあっても元気だから大丈夫」と治療を拒む人もいますが、処方薬をきちんと飲み、定期的な診察・治療を受けることがとても大切です。加えて、栄養バランスの良い食事、適度な運動習慣の継続、禁煙、アルコール摂取の制限、体重増加の抑制など、いわゆる“健康的な食生活”が今からでもできる認知症対策となります。

「人との関わり」「運動」「食事」について、今一度ご自身に照らし合わせてみてはいかがでしょうか。