なるほど健康メモ

乳がん検診と「ブレスト・アウェアネス」(R5.2月号)

年間当たりの乳がんの罹患率は10万人当たり77人で、北見市では年間に約80人が罹患すると推定されます。また、女性の生涯罹患率は9%と言われています。年齢別では30歳未満で低く、30歳を過ぎると上昇し始め、45〜70歳で最も高くなります。このように、年齢ごとの罹患率の違いから、市町村が行う対策型乳がん検診では40歳以上の女性が対象となり、2年に1回の検診が勧められています。任意型検診(ドック検診や職域検診)では40歳未満でも、あるいは40歳以上であっても毎年検診を受けることも可能です。

検診は、当初は問診と視触診で始まりましたが、マンモグラフィーによる検診により乳がん死亡率が減少することが実証されてから、マンモグラフィー検診が世界的標準となりました。撮影技師、読影医師は講習を受け資格を得て、2名の医師が読影します。このように精度管理されることで検診の質が保たれています。

乳がん検診と「ブレスト・アウェアネス」(R5.2月号)

また、乳がん検診を補う健康教育の概念として「ブレスト・アウェアネス」の普及が重要視されています。自身の乳房(ブレスト)の状態に関心を持って(アウェアネス)生活することを言い、実践のため以下の4項目が挙げられています。
① 乳房の状態を知る(大きさ、硬さなど)
② 乳房の変化に気をつける(しこり、血性の 乳頭分泌など)
③ 変化に気づいたらすぐに医師に相談する
(検診まで待たない、受診を先延ばさない)
④ 40歳から2年に1回乳がん検診を受ける

乳がん検診とブレスト・アウェアネスは、乳がん死亡率減少のため世界的にコンセンサスが得られた医療政策と考えられます。