なるほど健康メモ

知ってほしい慢性閉塞性肺疾患(COPD)①(R5.11月号)

「階段上がるのに、こんなに息切れしていたかしら?」「この咳と痰、もう何年も続いています」こんな症状の原因...もしかしたら慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)かもしれません。

COPDはタバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入することなどにより生ずる肺の病気と定義されています。徐々に進行する労作時の息切れや慢性的な咳・痰が特徴的な症状です。喫煙が最大の原因ですが、非喫煙者も発症することがあることが近年分かってきました。低出生体重、小児時の肺炎などの肺へのダメージがCOPD発症の危険因子として挙げられています。

知ってほしい慢性閉塞性肺疾患(COPD)(R5.11月号)

2001年に実施された大規模疫学調査では、日本人のCOPD患者数は、40歳以上人口の8.6%、約530万人と推計されています。当時、COPDと診断され病院やクリニックで治療を受けていた患者数は約22万人です。つまり、正しく診断され治療を受けている人は全体の約5%に過ぎないことが判明しています。多くの人がCOPDであることに気が付いていない、または正しく診断されていないことになります。この原因の1つは、COPDがあまり知られていないことにあります。

1万人を対象に2022年12月に日本で実施された認知度調査では「どんな病気かよく知っている」と答えた人は13.8%、「名前は聞いたことがある」と答えた人は20.8%、「知らない」と答えた人は65.4%でした。このコラムを読んでくださったみなさん、COPD 知る一歩を踏み出してくださりありがとうございます。一緒にCOPDについて学んでい きましょう。次回はCOPDの検査方法などについてお話しします。