なるほど健康メモ

病診連携(R元.12月号)

病診連携とは病院と診療所が協力し合って患者さんの診療にあたることです。言葉は知らなくても、医療現場では普通に行われていますので、経験した方は多いと思います。

診療所に来院する方の中には、状態がとても悪い方、診断に難渋する方、治療してもなかなか改善しない方がいます。そのような場合は地域の病院、とくに基幹病院に診察を依頼することが多くなります。担当の診療科医師あてに病状、検査結果、問題点などを記載した診療情報提供書を病院の地域連携室にFAXなどで送ります。病院医師は診療情報提 供書の内容と予約状況をみて受診予約日を診療所に返答します。病院での診療、治療で経過が安定して、担当医師が大丈夫と判断した際には、紹介元の診療所に今後の治療を依頼します。診療所医師は病院の担当医師と連携を取りながら治療を継続します。この仕組みが病診連携です。

病診連携(R元.12月号)

基幹病院の混雑、多忙ぶりはみなさん良くご存じだと思います。癌など難治性疾患に対応できるようなスタッフと設備を持って準備しているのが基幹病院です。そこに一般の診療所で十分対応できる疾患の方が大勢受診すると、基幹病院の本来なすべき医療ができなくなります。患者サイド、医療サイドにとっても良いことではありません。

医療が高度化、専門化している現在では、 診療所だけで医療を完結させることは困難であり、一方基幹病院もすべての患者さんを一手に引き受けるほどの人的医療資源はありません。両者の機能を補完するこのシステムは、 現在の医療状況にとても適していると理解しています。